2014年に行われるPADIカリキュラム等改定情報

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変更または新規用語
ノンストップ 「無減圧(減圧不要)」を変更。
ガス昏睡 「窒素酔い」を変更。
深い腹式呼吸 スキンダイビングでこれまで使われていた「ハイパーベンチレーション」は、息をこらえる際のテクニックとしては望ましくありません。
トリム 水中でうまくバランスを取り、水平の姿勢で楽に泳ぐにはウエイトをどう装着すればよいか説明するために、この用語をオープン・ウォーター・ダイバー・コースのレベルで導入します。
ミニダイブ(実践応用ダイブ) 限定水域の新しい必要条件で、生徒ダイバーはオープンウォーター・ダイブをシミュレーションして計画し、実施します。
エア・マネージメント 生徒ダイバーは常に自分の残圧レベルを知り、残圧を考えながらダイブを計画しなければならないという新しい必要条件を説明するのに使用します。
正しい水面習慣 水面にいるときは、必ず浮力を確保し、マスクは顔につけたままにし、レギュレーターまたはスノーケルは口にくわえたままにするという正しい習慣を表現する用語です。
器材の正しい装着テクニック 背筋を伸ばし、足を使って重い器材を持ち上げる方法を表す用語です。
知識開発についての変更と追加事項
  • 浮力の前に、圧力、体積、密度のコンセプトを教えます。
  • ダイブコンピューターの使用を前提に、『ダイブコンピューターの使い方と選び方』に書いてある内容を知識開発に取り入れます。
  • 安全停止に必要な分を残し、残圧がどのくらいになったら引き返すか計画を立てる方法を含めて、エア・マネージメントのコンセプトを教えます。
  • ガス昏睡については、今後はセクション5で教える
  • ことになります。そうすることにより、生徒ダイバーはガス昏睡の原因、徴候、症状を、減圧症、汚染空気、酸素中毒というトラブルと分けて理解することができるようになります。
限定水域ダイブについての変更と追加事項
パワーインフレーターから中圧ホースを外す このスキルはこれまでダイブ2に入っていましたが、改訂後はダイブ・フレキシブルのスキルになります。子供など、このスキルがうまくできない人には、時間をかけてマスターできるようにしてあげる必要があります。PADIスクーバ・ダイバーは、ダイブ3終了時までにこのスキルをマスターします。
緩んだシリンダーバンド ダイブ・フレキシブルの新しいスキルで、水面または水中で行ない、バンドが緩んでシリンダーが抜け落ちるというよくあるトラブルを解決する方法について、実践的な練習をします。
水面でウエイトシステム脱着 ダイブ・フレキシブルのスキルになります。PADIスクーバ・ダイバーは、ダイブ3終了時までにこのスキルをマスターします。
エマージェンシー・ウエイト・ドロップ ダイブ・フレキシブルの新しいスキルです。緊急時に素早くウエイトを外して捨て、ただちにプラス浮力を確保できるようにすることが、このスキルの目的です。このスキルは、限定水域またはオープンウォーターのどちらでも実施できます。
バディの手の届く範囲内にいることと正しい水面習慣 達成条件が設定されたスキルになりました。
潜降、浮上、環境意識 BCDを使ってコントロールすることをさらに強調する内容になっています。例えば、ダイブ4で、生徒ダイバーは傷つきやすい生物がいるという設定の水底に接触する前に潜降を停止し、同じく、傷つきやすい生物がいるという設定の場所で、水底に接触せずに中性浮力を取りながら浮上を開始します。
エア・マネージメント 生徒ダイバーが残圧計を頻繁にチェックする習慣を身に付けるために、インストラクターは予告なしに突然残圧を確認します。その際生徒ダイバーは残圧計を見ずに予測する値を報告します。その値の誤差が20 bar/300 psi以内でなければなりません。頻繁に残圧計をチェックしている生徒ダイバーは正確な残圧を報告できるはずです。
泳ぎながらバックアップ空気源を使う バックアップ空気源を使いながら少なくとも1分間泳ぎ、水面に浮上し、エア切れダイバーがオーラルでBCDに空気を入れ、浮力を確保した時点で終了となります。こうすることで、生徒ダイバーは水中でエアをシェアするということがどういう感じなのか体験することができ、エア切れの緊急事態では、浮上して浮力を確保する必要があるという手順も強調されます。
全部に水を入れたマスクをクリアする このステップが、「下半分だけ水を入れたマスクをクリアする」と「マスクを取り外し、元に戻し、クリアする」の間に加わっています。
トリムを調整する バランスの取れた楽な姿勢で水平に泳げるよう、ウエイトの位置を調整することに焦点を当てた新しいステップです。
中性浮力の維持 浮力の練習と応用に使う時間を増やし、ダイバー・マニュアルにあるように、水底にひざをつくのではなく、できるだけ中性浮力を保った状態でトレーニングを受けることの重要性が改めて強調されています。
ミニダイブ(実践応用ダイブ) ダイブ5で、生徒ダイバーはスキル練習を目的にダイブを計画して実施し、インストラクターが提示するトラブル

  • 足がつった
  • エア切れ/エアをシェアする
  • レギュレーターのフリーフロー
  • マスクに水が入った/マスクが外れた
  • レギュレーターが口から外れた
  • BCDのインフレーターが故障した
  • バディとはぐれた

に対応します。ミニダイブは限定水域2~4に追加することもできます。

器材の正しい装着テクニック 生徒ダイバーは、スクーバ器材を持ち上げるときに、背筋を伸ばして足を使うことで、背中を痛めないようにする方
法を学び、限定水域とオープンウォーターの両方で練習します。
オープンウォーター・ダイブについての変更と追加事項
ダイブ 1 にスキルを導入
  • 「ハンドシグナルを認識する」
  • 「下半分だけ水を入れたマスクをクリアする」
  • 「レギュレーターをリカバリーしてクリアする」

がダイブ 1 の達成条件になりました。これに関連して、ディスカバー・スクーバ・ダイビングのクレジット手順に関する記事「改訂版 PADI オープン・ウォーター・ダイバー・コースのクレジットになるように PADI ディスカバー・スクーバ・ダイビングを実施するには」をご覧ください。

シグナルチューブの使い方 ダイブ・フレキシブルの新しいスキルです。生徒ダイバーは、水面でシグナルチューブを膨らませるか、浮上する直前に水中で膨らませて(DSMB)水面に打ち上げます。
生徒ダイバーは自分の器材を使うか、インストラクターが準備します。
エマージェンシー・ウエイト・ドロップ ダイブ・フレキシブルの新しいスキルで、限定水域またはオープンウォーターで実施します。(「限定水域ダイブについての変更と追加事項」を参照)
安全停止 正しく実行されているかどうかインストラクターが評価する安全停止は、これまで通りダイブ・フレキシブルのスキルですが、今後、安全停止はオープンウォーター・ダイブ4の達成条件になり、他のダイブでも安全停止をすることが奨励されます。つまり、インストラクターが生徒ダイバーの安全停止を評価するのはどのダイブでも構いませんが、ダイブ4では達成条件になります。インストラクターがダイブ4より前に生徒ダイバーの安全停止を評価した場合には、ダイブ4で認定アシスタントが評価することも可能です。
トリムチェック 限定水域での「トリム調整」と同様の新しいステップです。トリムを決め、正しい姿勢になっているか、トリムチェックで確認します。
バディから2秒の範囲内にいること、正しい水面習慣、環境意識 達成条件が設定されたスキルになりました。
(「変更または新規用語」を参照)
疲労ダイバー曳行 PADIスクーバ・ダイバー認定の達成条件ではなくなりました。
音の出るシグナル ブリーフィングで、音の出る水中シグナルを生徒ダイバーに見せて説明します。その音が聞こえたら、インストラクターのほうを見て指示に従わなければならないということを生徒ダイバーに徹底します。
ダイブ4で、バディチームでプランを立て、ダイブを実施する 前のダイブですべてのダイブ・フレキシブル・スキルを修了していれば、ダイブ4では達成条件のあるスキルはありません。改訂版のコースでは、生徒ダイバーは限定水域でのミニダイブの経験をベースに、インストラクターが提示するダイビングポイントの変動要素に基づいてダイブプランを立て、インストラクターの直接的な監督下で、プランに沿ってダイビングします。クラス全員をグループとして一緒に行動させるのでもよいし、インストラクターがバディチームに付き添う、あるいは、インストラクターの間接的な監督下で認定アシスタントが付き添うのでも構いません。PADIプロフェッショナルが注意深く目を配りながら、ダイブを実施することに関するすべての事柄について、生徒ダイバーに実践的な経験をさせることが目的です。




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